高効率モーターについて

日本では、2015年4月から「トップランナー制度」が開始されました。これにより、産業用モーターのエネルギー消費効率の基準値が設定され、プレミアム効率クラス(IE3)を満たさないモーターは販売することができません。一方、欧州と台湾ではすでにIE4効率基準の強制法規を定めており、欧州では、2023年7月に75KW~200KWのモーターに対してIE4効率グレードの義務化を開始。台湾でも、2025年7月にIE4効率規制を開始します。また米国でも、2027年6月を目途にIE4効率である「NEMA Super Premium」を義務付ける見通しです。TECOはTECO-Westinghouseとして米国市場へ参入している経緯から、いち早く高効率モーターを手掛けており、IE3~IE4対応のモデルをラインナップしています。

各国の効率レベルと対応する東友の取扱メーカー

国際規格日本欧州米国中国韓国台湾インド
効率レベル(適用範囲)IEC60034-30 IE1
標準効率
JIS C 4210
標準効率
(0.75~375kW)
--GB18613
-2002
(0.75~315kW)
-CNS 14400
IE1
(0.75~375kW)
-
IEC60034-30 IE2
高効率
JIS C 4212
高効率
(0.75~375kW)
IEC 60034-1
IE2
(0.12~1000kW)
NEMA
MG1-12-11
EPACT
(1~500HP)
GB18613
-2006
(0.75~375kW)
KS C 4202
IE2
(0.75~375kW)
CNS 14400
IE2
(0.75~375kW)
IS 12615:2018
IE2
(0.12~1000kW)
IEC60034-30 IE3
プレミアム効率
JIS C 4213
プレミアム効率
(0.75~375kW)
IEC 60034-1
IE3
(0.75~1000kW)
NEMA
MG1-12-12
NEMA Premium
(1~500HP)
GB18613
-2012
(120W~1000kW)
KS C 4202
IE3
(0.75~375kW)
CNS 14400
IE3
(0.75~375kW)
-
IEC60034-30 IE4
スーパープレミアム効率
-IEC 60034-1
IE4
(75~200kW)
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東友の取扱メーカーTECOTATUNGTECOTATUNGABBHYOSUNGWOLONGTECOTATUNGABBHYOSUNGWOLONGWOLONGJiamusi Electric MachineHYOSUNGTECOTATUNGCGABB

PMモーターの特長

PMモーターはスーパープレミアム効率(IE4)を実現し、インバーターと組み合わせることで、誘導電動機(IM)よりも更なる省エネを実現しています。

■小型化 : 寸法は汎用モーターに比べると、35%程度小さくなって据付スペースの削減に役立ちます。
■低騒音 : 騒音は75db(A)程度で、汎用モーターの85dB(A)程度に比べると低くなっています。
■慣性モーメントの低減 : PMモーターの慣性モーメントは現状のプレミアム効率IE3モーターに比べて59%~94%小さくなります。

高効率モーターの省エネ効果

高効率モーターの省エネ効果

高効率モーターは、標準モーターと比較して効率が高いため、省エネ効果を期待できます。温度上昇値が低く、長寿命であり、長時間使用する程、電気代の節約ができます。

商用運転時のCO2削減と省エネ効果の目安

出力極数省電気料金(円)CO2削減量(KG)
0.754¥17,000600
1.5¥24,000800
2.2¥29,0001000
3.7¥36,0001300
5.5¥46,0001700
7.5¥55,0002000
11¥68,0002500
15¥82,0003000
18.5¥97,0003500
22¥107,0003900
30¥134,000 4900
37¥153,0005600
45¥171,0006300

※上記は、周波数50Hz、電気代15円/kWh、一日24H運転時の一台当たりの年間省エネの目安です。
※年間節約金額は、下記の計算式で求めることができます。
年間節約金額=節約kW x 使用時間(h/日) x 運転日(日/年) x 電気料金(円/kWh)
節約kW=kW x(100/標準モーター効率 - 100/高効率モーター効率)

高効率モーター採用時のご注意

  • 高効率モーターは、標準モーターに比べ、一般的に回転速度が速くなります。回転速度が速くなることにより、モーターの出力が増加します。出力が増加することにより、消費電力が増加する場合があります。
  • 高効率モーターは、標準モーターに比べ、始動電流・トルクが高いため、再起動を繰り返す場合などは、制御盤側の変更や起動時の損失を検討する必要がある場合もあります。